イベントなどで無料の占いコーナーを担当させて頂いていると、妙齢の女性が相談にいらっしゃるのが少なくありません。そのご婦人方の相談内容は多かれ少なかれ、ご自分の恋愛運に関わることであるのも共通している点でしょう。

そんなときには結婚時期を焦っている女性の結婚運ってどうなんだろななんて考えてしまうんですよ。だって自分の恋愛運に疑問を感じたから今目の前に座っているんですよね、って。もちろんそんなことを直接的に申し上げることなんかしませんけどね。

今回は特に結婚に関わる卦を取り上げて、結婚運をどのように開けばよいかを考えてみましょう。風山漸という卦です。この卦の上卦が陽−陽−陰です。この並びはお馴染みの形になっていますが、巽卦は風の形。従って行き巡る意味を持ってます。

対する下卦は陽−陰−陰です。この卦は艮(ごん)卦と言います。艮卦は山の形だとされており。物事を止める作用を表します。この形が良い意味を担うことはあまりありません。物事は変転を常態としますので、とどまることが物事の条理に反していると考えられるからです。

この上下が一緒になって、内に止まり守って徳を有し、外では人に従うというように、物事が段階を追って一歩一歩進んで成長していく様子を読み取るわけですね。段階を踏んでひとつずつ進むことが物事を着実に進めることであって、リスクを回避しながら物事を運ぶのに適しています。

漸次すくすくと成長するというとても良い卦ですので、予祝に用いるのはとても効果が高いと考えられます。事業を興す場合にも用いられることが多いようですが、結婚もまたある意味では、事業を興すことに似ています。なのでどちらに対してもこの卦は使えます。

スピード重視の現代にあっても、原則は変化しません。一気に進まないことは正しい方法なのです。コップに水を入れるためにバケツでは注がないですよね。そんなことをすれば無駄ばかりが増えてしまって、ちっとも効率的だとはいえないでしょう。

それに少しずつ変化していく道程を楽しむことは大切なたしなみです。子供の成長の過程を記録するのが親の楽しみのひとつなのと同様です。結婚に至る道程もまた、二人の成長の過程だからです。

古くは進むに序次を正しく従うことが礼だからという点が根拠になっていたのですが、礼という考え方が廃れたとしても、物事の仕切りそのものがなくなったのではありませんから、やはりどこかしらに区切りとしての礼があり続けているはずです。

古いテキストには女帰(とつ)ぐに似て吉とは、止まって巽(したが)い、動けば竆することがないとあります。物事は動き続けて成し遂げるのではなく、止まって人に付き従うことを繰り返す中で正しい道が示されていくからです。

風山漸の卦が示す結婚運を開く世界は、感覚に身を任せたゴールインとは逆の意味を持っています。運命の相手が白馬に乗って突然、交差点で鉢合わせするといったファンタジーを期待するのではなく、着実に進むことこそが近道だというのです。

手っ取り早く幸運を手にしたいならどうするのかと、それでも質問してくる男性がいました。この人はいったいどんな出会いを考えていたのでしょうか。そもそも感性に頼った出会いは女性に分があって、男性にその才能はありません。

急いては事をし損じるという言い方や、慌てる乞食はもらいが少ないという真理をこのような人には紹介する必要があるでしょう。あせらず、自分の周囲を見渡せば、意外と意中の人を見つかるはずです。問題はそのような人を見いだして、関係を育てる努力も工夫もしていないということに違いありません。