出世してやる!そんなに力まないで、ほっと一息ついておまじない

閉塞状況を打ち破って、物事が前進する予祝があります。時として事態は閉塞して解決の手段を見いだせないときもあるものです。そのような時にどうすれば良いのでしょうか。神仏に頼み、あるいは現実から逃避するのも一法でしょう。しかし、そのような状況を打ち破る予祝をご紹介したいのです。

火地晋(しん)は地火明夷(めいい)から変化してきた卦だといいます。明夷は大地の下に太陽が沈んで隠れてしまった姿を示しています。物事を導くべき知恵は、周囲から顧みられず力を発揮できない状態になっており、閉塞しています。

それに対して晋卦は夜明けを迎えて、地から太陽が昇る姿に転じています。人を導くべき太陽は大地の上に姿を表しました。もはや、優れた知恵を見逃しません。リーダーシップは有効に機能し、部下は一丸となって事態に対処する格好になったのです。

大切な点は自ら明徳を明らかにするという態度でしょう。自分の持っているものを隠していては、周囲はそれを見いだすことができないからです。知恵のあるものは知恵を出せ、から始まる金言をビジネスマンならご存じに違いありません。

ビジネスを成功させようとしても、それぞれが知恵を隠し持っていてはゴールに接近できないでしょう。ビジネスは個人プレーではあり得ないからです。集団で役割を分担し、責任を共有している必要があります。

上卦は陽−陰−陽で離(り)卦で、火のシンボルは明を意味して、麗(つ)く=付く、ことを表します。麗という文字が持つイメージには魅力的なというものも含まれます。知恵は知恵でも悪知恵では問題が拡大する可能性が出てくるでしょう。

下卦は陰−陰−陰で坤(こん)卦、地のシンボルであり、順(したが)う=従う意味です。従うのは柔らかく受けとめて、意思を1つにすることです。羊が従順な動物の例になりますが、彼らは際だって目立つ角を持つ羊に付き従うのだそうです。

物事というものは、明なるものに麗き順うときはその道必ず進むとされます。明なるものとはいったいなんでしょうか?例えば、明確にされた目標であり、その目標によって成し遂げられる価値をはっきりさせることであったりしますよね。工夫の余地があります。

私たちは本質的に秘密作戦にはロマンが一杯詰まっている?なんて思っていたりします。秘密基地を探して裏山を歩き回ったり、箱の中に人に見せられないものを隠してみたり、親に知られないように隣町まで歩いて行ったりといった思い出はあると思います。

しかし、ビジネスは別です。サプライズを求める心理に惑わされてはいけません。ビジネスにサプライズは不要だからです。確かに幸運に恵まれた結果ですというコメントはよく語られます。しかし、それは謙遜している言葉です。

ビジネスとは着想、計画、実行、成果のシーケンスであって、そこに幸運頼みといった要素は入り込む余地がありません。幸運を味方につけるのであって、頼みにするのは少しニュアンスがズレているようです。

部下の思いをくみ取るのは、部下とともに現場に立つ行動にあると分かれば、どのような行動を取ればよいか理解できるはずですが、それをそのまま実行する人は多くありません。これを実行するのがビジネスなのです。

方針を明らかにすること、報償をしっかりと報いる制度など、可能な限り意思を明確に示すことで、ビジネスの方向性を強固なものにする努力は必ず報われます。また部下には日常的に柔軟に対応する訓練が大切です。

へつらいは信用を失う結果を招きますし、通じるのには時がかかるのが普通です。強情で効果を失わないように注意しましょう。リスクは覚悟の上、原則に従って正しく持す心がけです。

仕事はわたしの人生というあなたへ。すべてを丸ごと豊かにします

ビジネスや計画ごとの成功に至る道筋を明確に示す卦も大いに役立つはずです。周易にはそのためと思える卦があります。雷火豊(ほう)という名前がつけられています。豊は、大、盛大、という意です。

特に何もしないのに突然の幸運が舞い込むことは実際にあるものですが、それを期待して何もしないでいては、物事は思い通りにはなりません。また、焦りのためか、道を急ぎすぎては結果を損なってしまいます。

物事を当たり前に、予想通りに結実させるのは、難しい問題なのです。私たちには結末に至る筋道が見えておらず、時々の選択肢も明確ではないのも普通のことだからです。時として好ましい選択が目の前に示されて方針を転換する場合もあります。

方針転換の結果、事業の全体が転覆してしまう目に遭うこともありますが、逆に必要な方針転換ができずに、そのまま暗礁に乗り上げてしまう悲劇にも見舞われることも少なくありません。そのような事態を認識する度に、私たちは確かな方針を求めるのではないでしょうか。

予祝は単に幸運を招くおまじないだというだけではありません。予祝は私たちの潜在意識に働きかけて、幸運の道筋を見分ける手伝いをします。卦の中に結果と要諦を同時に表せるのは、東洋のシンボリズムの特徴だとも言えるでしょう。

上卦は陰−陰−陽の震卦で動くエネルギーを表しています。震卦は自然現象の雷を意味するとされています。しかし、同時に雷によって連想されるさまざまなイメージを指し示します。それらの周辺イメージをまとめると、動くエネルギーを適当な代表的ニュアンスだと考えられます。

震を動くとすれば、上卦にエネルギーが溢れて、十分に活動する力をもっている様子を表しています。表面にまで達する力を蓄えている必要を説いているようにも見えます。ビジネスを前に進め、事業を推進する力は表面的なものではいけませんね。

対する下卦は陽−陰−陽の「離」(り)を明と考えます。離は自然現象の火を中心的なイメージとして持っています。中心は虚になって周辺に対して強い力を発揮します。人に当てはめるならば、美人な女性だと言われますので、そこには魅力という力も付け加えられているようです。

この場合、離を太陽ととらえて上卦の雷と応答させて理解することになるでしょう。離は美しい火であり、火の代表格が太陽にほかなりません。もちろんその他にも火を連想させるすべてのものに対応させることが可能でしょう。例えば、テレビとか、舞台とかなどは頻繁に用いられるイメージです。

離を明とし智と考えることになるのは必然です。私たちの認識の枠組みを観察すれば、これらのものが同じ枠に収まっているのを見いだします。明らかにものを言う人に智を見いだすといった具合に、それらのイメージは互いに密接に関連しています。

すると明らかにして動く様子、明らかにして動くときには、その事は盛んにして大なるに至ると全体を読み取ることができます。あるいは太陽が動きながら天下を照らし臨み、その光明盛大を表現していると考えるのもよいかもしれませんね。

ただ、志気を高ぶらせ傲慢な態度や、残忍酷烈な心を避ける心がけを忘れてはいけません。物事が上首尾に進んでいると、人間はつい我を見失います。つまり、人を見下したり、支配的な態度を取ったりしがちです。これは誰にでも潜む人間の本質的性質です。

結果、誰一人として親しみを感じて助ける者はいなくなります。これが孤独というもの。この卦のスローガンに含まれている要諦は、キーマンの心に通じさせて、孚(まこと)を豊かに表していれば良いというものです。決断の時に誤らないためには孚を意識するのが大切ですね。

契約は決断してもらえただろうか?心配な時にはこのおまじないを

販売活動のクライマックスはクロージングだと言われることが多いように思います。時間を掛けて営業活動を展開して、顧客のニーズに迫ったあれこれと準備を整え、客先と最後の詰めになるのですから、確かにもっとも緊張を強いられるシーンです。

古来、人事を尽くして天命を待つ精神が大切だと言われ続けて、受験戦争を駆け抜けた人もまだまだ多いと思います。最近はそのような根性論が陰を潜めてしまった感もありますが、やはり一人前のビジネスマンとしては、天命の部分が気になるに違いありません。

上卦は陰−陽−陰で水を意味する「坎」(かん)卦です。坎と聞いてあれ?と思った方は易に対する感覚がかなり鋭いと言えるでしょう。坎は通常、凝り固まった問題を暗示しているからです。ひろく水を意味しますが、氾濫して治められない状況です。

下卦は陽−陰−陰で、火を意味する「離」(り)卦です。離卦は着いたり離れたりという、一見反対する性質を持っていいます。そこから易の世界では契約などの書類を意味すると考えられてきました。

全体を見ると三陰三陽がバランスを整えています。三陰三陽卦は少し特殊な性質を持っていると言えるでしょう。その他のものよりも陰陽のバランスが拮抗しており、全体としてのまとまりが強く反映されています。

ものごとはあるべきものがあるべきところにあるのが肝要です。時期を正しくし、場所を正しくしてこそ、なるべきことを全うすることができるからです。どこでもいつでもとは、つまりどこでもなく、いつでもないという意味の言い替えに過ぎません。

火と水の性質を正しく踏まえるというと、意外な気がされるかも知れません。水も火も私たちの生活にとって馴染みのあるものだからです。しかし、東洋思想の流れからの見方が少し違っている点に是非留意して頂きたいと思います。

水と火は陰陽が反対です。陰陽が反対だと、私たちはつい反発し合う結果、お互いが離れてしまうと考えがちでしょう。しかし、陰陽は互いに引かれ合う性質を持っています。お互いを区別しながら引き合うのだと考えます。

ビジネスにせよ、対人関係にせよ合意はどちらか一方の言い分では成立しません。それは支配関係を形成する結果を招くだけです。合意とはお互いの要求を組み合わせて調整することだからです。

各要素がバランスを取っている方が創造性が高まるとも考えられます。片方の要求が一方的に採用されたら、結果的にパターンは一通りに集約されてしまいます。計算によると半分半分で組み合わせる場合がもっとも多様性が高まるのがわかります。

また全体が均質な一個のものでは、次の展開が大がかりで大変だとも知っておくと良いでしょう。1つに特化した事業は変化できないことによって特化しているからです。つまり専用は転用できないのです。専用は便利に違いありません。専用という考え方は、既済とはまったく違った結果を生み出します。

次の展開に向けて準備を始める時を意味するのが既済です。1つの完了は次のものの開始へと接続しています。手元の契約が次の契約に向けてのスタートを意味し、次のゴールはさらに次のゴールに接続して連関します。

1回毎に既済を使って、けりを着けながら前進するのが予祝として使う方法です。けりが着かない問題を後回しにしてしまう事業所と仕事をした経験が多くあります。そのような事業者はだらしない人なのかと思ってしまいました。

既済を予祝として用いるのは決して予想外の幸運に恵まれることを期待してのことではありません。この卦は人事を尽くして天命を待つという精神を内在しており、私たちの努力が着実に実を結ぶことを期待する予祝なのです。

よくわかんないけど、とにかく出世したいならこれがお薦めです

改めて口にすれば当たり前ですが、物事は始めなければ、その善し悪しは分かりません。何が言いたいのかというと、どんなに見込みがあると思っていても、実際に始めてみると、予定外の事態が必ず生起します。その結果、始めなかった方が良かったということにもなりかねません。

今回ご紹介したいのは、ビジネスのチャンスを生かして芽吹かせるための予祝です。いくら投資をしても成果がない、いくら思いを伝えても実らない恋にも。共通しているのは、種子が芽吹くための環境と契機です。

地風升(しょう)は進み昇るという意味の卦です。ビジネスを充実したものにしたい。あるいは本気の思いを相手に伝えたい。事業をこれから大きく伸ばしたい、二人の関係をより実りあるものにしたいという時に用いるがよろしいです。

上卦は陰−陰−陰になっていて坤(こん)と呼ばれます。坤は平らに伸びた大地であって、柔らかく耕された様子を3つ重なった陰が表現しています。坤は平らな地が広がったイメージだと教科書に説明されている通りでしょう。大地は種を蒔かれるのを待っており、中に命を宿して大きく育てる母の力を本質としています。

下卦は陽−陽−陰で、巽(そん)を形作っています。これは巽は風であり、草木をも意味します。風は入り込む性質を持っています。そして風は草木が揺れることで、目に見える形をとるので、風は草木を意味するようになりました。

巽風の中心は一番下の陰の部分に宿るとされています。陰は力が弱いので、マイナスに働く場合もありますが、巽の風は暖かく、そして柔らかく吹き込む春のイメージを宿します。全体として地面の下にある草木の種、空洞を表していると解釈されます。

地下の種に宿った命がいずれ地上に昇って姿を表すので、升という名前がつけられたと説明されます。ビジネス、恋愛と同様に妊娠、出産も一種の事業だと捉えると、升卦を用いて予祝できますね。

さて、人は付き合って見なければ、その人の核心は見えてこないものです。姿形が良く、好ましく思えても、中身がまったく伴っていないということも人間だから有り得ます。

人間は外と中とがまったく関係なくても問題がないからですね。人間はお互いの距離感に応じて反応が変化するのが常態です。ですから、距離感が遠いと好ましく見え、近づいて見ると期待と違ったり、結婚してから後悔したりすることにもなりかねません。

ですから始まりはいつも大きなリスクが伴います。ものごとを始める前に、人とつきあい始める前に結果を性格に予測できません。ですから、始まりに善し悪しはありません。ただ、結果に結びつくことを願うのみです。ですからこの卦で予祝したなら、続けてどのように実りを支援できるかを考える必要があるでしょう。

従順さが良い結果を出す要点だと易は説きます。しかし従順であることと盲順とは違います。盲順は相手を見ず、行き先を任せてしまう無責任な態度です。従順さは似ていてもポイントを外しません。相手をしっかと見極め、自分も参加します。

ビジネスでも肝心なのは、盲順ではなく従順さだとおわかり頂けるでしょうか?どれだけ優れた商品であってもクライアントの要求に応えていなければ、それは商品として成立しません。クライアントの要望を耕して柔らかくすると、中に命が宿っているのを見いだすことができるに違いありません。

生きているものは柔らかい状態であるという考え方は大切です。柔らかいものに私たちは命を感じ取るようになっています。そのように考えれば、柔らかさの中に命が宿るとも説明可能です。升卦は柔らかくなった大地の下に命を宿しているのは先ほどご説明した通りです。

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